嬉しいとき、トロンボーンがあった。 腹立たしいとき、トロンボーンがあった。 悲しいときも、楽しいときも。 つまり、トロンボーンはいつもそばにあり、私、関口香織とトローンボーンはいつもイコールで結ばれていた。 どんな悩みも、鈴木さんに教えて貰った練習場(ただの河原だけど)で、時には叫ぶように、時には泣くようにスウィングする。 それだけで何とかなったものだけど、今回ばかりはそうもいかなかった。 だって、そのトロンボーンが悩みの種だったのだから。
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