姓を宮崎、名を美郷。手前生国を発しますところ――と、東京の有名な映画なら続くのだろうが、悲しいかなここはそこから遥か離れた東北の片田舎。そして彼女もまた、国民的映画の主役でもなんでもない、一介の女子高生である。
美郷の人生は、東北の田舎の高校生としてもかなり平凡なもので、紹介文に書き起こしたって原稿用紙の半分も埋まらない。特記事項なんて、
どっちかと言えば楽しくて面白いことが好きで、
バドミントンが好きで、
飽きっぽくて、
子供の頃の悪戯が原因で友人に頭が上がらないとか、そんな程度だ。
どこに出してもちょっと恥ずかしい脇役その一にふさわしいプロフィール。そこに最近加わった特筆すべき点としては、先月の東北音楽祭にビッグバンドジャズグループ『スウィングガールズ(アンド・ア・ボーイ)』の一員として出場して特別賞をもらったという――それくらいだ。
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